親知らずとは
親知らずとは、第三大臼歯または智歯とも呼ばれ、20歳前後に最後に萌出してくる歯です。歯がすべて萌出すことは少なく、大部分は顎骨の中に埋伏して一部のみ萌出したりします。歯ブラシが届きにくい場所に生えるために、抜歯で対処することが多い歯です。
親知らずが引き起こすトラブル
智歯周囲炎
智歯周囲炎とは、親知らず周囲の歯茎に炎症が起きる状態を指します。特に親知らずが一部しか生えていない場合や、斜めに生えている場合に、歯茎が覆った部分に細菌がたまりやすくなり、炎症や腫れ、痛みが生じます。放置すると、痛みがひどくなったり、膿がたまることもあります。
虫歯
智歯周囲炎と同様、歯ブラシが届かないために虫歯菌が発生して虫歯になります。しかも周囲の歯にまで虫歯が広がるケースも多く、そのままにしておくと周囲の歯まで抜歯せざるを得ない状況になってしまいます。
親知らず抜歯の流れ
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1診察
レントゲンとCTスキャンで正確な歯の状態を確認し、抜歯ができるか確認します。
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2血圧測定
外科的な処置を行うため、念のために血圧測定を行います。
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3麻酔
抜歯中に痛みが出ないように麻酔を施します。
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4抜歯
専用の器具を使って親知らずを固定している骨や歯肉と歯を分離させ、抜歯を行います。
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5止血・縫合
抜歯をした部分をきれいに洗浄し、止血処置をして縫合します。
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6術後
術後の説明をして、処方薬についても説明いたします。
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7消毒~抜糸
必要に応じて、術後1~2日目に傷口の消毒を行います。約1~2週間後に縫合部の抜系を行います。抜歯箇所周辺に問題がなければ治療完了です。
親知らずに関するQ&A
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Q
智歯(親知らず)とは何ですか?
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A
智歯(親知らず)とは、お口の中で1番最後に(奥に)生える歯のことです。
歯には子供の時に生えている乳歯とその後、生え変わる永久歯があります。
だいたい12歳ごろには親知らず以外の28本の歯が生えそろいます。
親知らずが生え始めるのは早い人で14歳、遅い人で20歳といわれてます。この様に体が成長し親が知らない頃になってやっと生えてくるので「親知らず」と呼ばれているのです。
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Q
親知らずは誰でも生えるのですか?
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A
親知らずは、誰にでも生えるわけではありません。
全ての親知らずが生えれば上下左右1本ずつ、計4本になりますが人によっては3~1本しか生えない人もいます。この様な方はもともと親知らずがまったく無いのか、あるいは顎の骨の中にもぐったままでお口の中に生えてこない場合のどちらかと思われます。
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Q
親知らずはどうして生えるのですか?抜くべきでしょうか?
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A
親知らずも他の奥歯のように食べ物を噛み・すり潰す役目もはたします。
ただしそれは上下の親知らずがきちんと噛み合ってる時だけです。
噛む相手の歯がなかったり、横に半分生えてたりしてる親知らずは噛む役割をはたしてない所か、一番奥なのでどうしても歯ブラシが届きにくく汚れが溜まりやすいため、虫歯になりやすかったり・はれたりする原因となるのです。こういった場合は抜いてしまった方が良いと考えられます。
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Q
どうしてきちんと生えないのですか?
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A
原因にはいくつか考えられますが最大の原因は食生活の変化にあると考えられます。
古代人は硬い木の実や調理していない肉などが食事の中心だったため、それを食べるために顎の骨が発達し親知らずが生えるスペースが十分にありました。ところが現代人の食事は調理された柔らかい食品が多く”噛む”という事が少なくなり、顎は次第に小さくなりました。最後に生える親知らずのスペースが不足する事になってしまい正しい位置に生える事ができなくなるというわけです。
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Q
親知らずを抜くのは安全ですか?
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A
下の顎には太い神経があります。ここから枝わかれし、それぞれの歯の神経につながっています。
親知らずはこの重要な神経に大変近く、接したり・圧迫や絡み合ったりしている事があります。
抜く時にどうしても外科的刺激がこの重要神経におよぶ場合があります。
この時、どういったリスクがあるかというと舌にまでしびれや麻痺が発現する事がまれにあります。
場合によってはこの症状が残る事もあります。
当院では事前にレントゲン写真などでの診断をへて、この可能性が低い場合でも全ての患者様に説明し、ご理解をえた上での抜歯を行っております。